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2025年12月29日

新コンプライアンスシリーズ(Vol.04)

新コンプライアンスシリーズ
危ないよ!それ知らないと

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)
※2024年8月号に掲載された記事です。

流行中の"モノではない商材" による儲け話 「モノなしマルチ」にご用心を!

 「モノなしマルチ」による被害事例が、依然として少なからず発生しています。
「モノなしマルチ」というのは、例えば、暗号資産(仮想通貨)や海外事業への投資、インターネットを利用した広告プログラムの一種「アフィリエイトシステム」への参加など「モノではない」儲け話を商材に、連鎖販売取引を行うことを指します。
数年前から急速に被害が増加しています。

 「暗号資産に投資すれば儲かるといわれ、借金をして百数十万円を払ったが、仕組みがよく分からない。返金を求めたが断られた」
といったケースが被害の典型例です。

 国民生活センターが8月7日に発表した「2023年度 全国の消費生活相談の状況―PIO―NETより」という資料からも、「モノなしマルチ」の現状が伺い知れます。

 連鎖販売などは「マルチ取引」という区分で集計が行われるのですが、5,000件超の相談件数の商品・サービス別トップ10を見ると、
「ファンド型投資商品」(マルチ取引全体の9・7%、3位)、
「内職・副業その他」(同6・1%、5位)、
「複合サービス会員」(同6・0%、6位)、
「金融コンサルティング」(同3・5%、7位)、
「その他金融関連サービス」(同3・5%、8位)
といった項目が入っています。

 これらの多くは、「モノなしマルチ」に関連すると考えられ、もはや連鎖販売取引の苦情・相談の主流を占めていると言っても良いでしょう。

 同資料によると、「マルチ取引」の相談者の「平均既払金額」は170万2,698円です。
健康食品や化粧品といった商材で、これだけ高額な被害が出ることは考えにくく、「モノなしマルチ」が被害金額を押し上げているのでしょう。

"シロアリ"同様の被害にご注意!

 「モノなしマルチ」が連鎖販売取引全体の風評を低下させ、そのあおりを、健全な「モノあり」連鎖販売事業者が受けているという構図が見えてきます。
それだけでなく、より直接的な意味でも、「モノなしマルチ」には注意が必要です。

 というのも、「モノなしマルチ」が健全な他の連鎖販売取引の組織を、床下に巣食うシロアリよろしく、食いつぶしてしまうケースがあるからです。
通常の連鎖販売取引の組織のトップリーダーが、「モノなしマルチ」にハマってしまうと、こうした現象が起こります。

 トップリーダーが傘下の会員に「君もどう?」などとモノなしマルチを勧め始めると、「トップリーダーが勧めるなら間違いないか」と安易に参加する人が増え、結果的に組織全体で多くの被害者を生むケースがあるのです。
「モノなしマルチ」の勧誘には、くれぐれもご用心を。

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