2026年02月27日
新コンプライアンスシリーズ(Vol.06)
新コンプライアンスシリーズ
危ないよ!それ知らないと
流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)
※2024年10月号に掲載された記事です。
消費者庁の連鎖販売業者処分が1年間ゼロ!
法令順守を徹底し、より一層の健全化を!
消費者庁が運営している、「特定商取引法ガイド」というウェブサイトを見ていて面白いことに気付きました。
今年度の上半期(24年4月~9月)は、珍しく「アレ」がなかったことが分かったのです。
このウェブサイトでは、消費者庁による特商法の執行状況などを確認することができます。「事業者名」「取引類型」「違反条項」「処分日」などがそれで、特商法に基づく処分を条件ごとに検索することも可能です。
さっそく検索してみると、今年度上半期に「連鎖販売取引に対する処分」が1件もないことに気付きました。
ちなみに23年度の上半期の処分は7件でした(同じ事業者に対する処分を、業務停止命令と指示処分、個人に対する業務禁止命令等に分けてカウントしているため、事業者数は1社だけです)。
さらにさかのぼると、22年度上半期の処分は1社3件、21年度上半期は3社14件、20年度上半期は2社7件、19年度上半期は1社5件でした。
上半期の時点で、「連鎖販売取引に対する処分」がゼロという年は、少なくともここ数年はなかったということになります。
調べてみると、23年度の下半期(23年10月~24年3月)も、「連鎖販売取引に対する処分」はゼロ件でした。
つまりこの1年間、連鎖販売への処分がなかったということになります。
以前にも書いたように、国民生活センターのPIO―NET(パイオネット、全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられた、「マルチ取引」の相談件数は、減少傾向が続いていました。
直近の23年度の相談件数は、最も多かった時期の4分の1以下の5,000件程度になっていました。業界の健全化が、こうした処分件数の減少につながったとみることもできるでしょう。
消費者庁を始めとした行政機関が、連鎖販売取引を〝最優先で監視すべき対象〟と捉えなくなったのかもしれません。
概算要求額に見る消費者庁の関心事
消費者庁がいま何を考えているのかを知る上では、予算の「概算要求」を見るのも有効な方法です。
最近公表された、令和7年度の概算要求で、消費者庁は前年度比27億9,000万円増の141億3,000万円の予算を要求しています。
ただ、その内訳をみると、紅麹問題を受けた、食品関連の規制強化の予算などが目立ち、特商法に関連した「消費者取引対策の推進」は、3,600万円程度の増額要求にとどまっています。
概算要求には、「マルチ」「連鎖」といった単語が一切盛り込まれておらず、現在は行政としてノーマークの状況だということが伺えます。
だからといって油断してはいけません。
こんなときだからこそ、さらに襟をただしコンプライアンスに取り組み、トラブルゼロを目指していくことが肝心です。
そうした取り組みを重ねていく中で、業界の風評も改善し、日々の勧誘活動がしやすい状況が生まれるのではありませんか。
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