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2021年06月03日

「コロナ対策」商品で初の検挙!(No.33)

新コンプライアンスシリーズ
わたしたちの法令順守宣言!

流通ジャーナリスト:大栗 準(おおぐり じゅん)

 「新型コロナウイルス対策」をうたう商品をめぐって、ついに検挙事例が発生しました。

 報道によると2020年3月31日、警視庁生活環境課が健康食品販売会社のN社と社長ら2人を、薬機法(旧薬事法)違反で書類送検したということです。

 同社のホームページで、医薬品の承認を受けていないサプリメントについて、「新型コロナウイルス対策」「(ウイルスの)増殖を抑制する」などと広告したことなどが、検挙の主な罪状だと報じています。

消費者庁も二度目の警告!

 早晩、こういった検挙事例が生まれる日が来ると思っていましたが、警察の動きは予想以上に早かったという印象を受けます。

おそらくこの1件で打ち止めではなく、2件、3件と検挙(逮捕)事例が積み重なっていくでしょう。

 消費者庁もまた、2020年3月27日に、新型コロナウイルスに対する予防効果をうたって健康食品やアロマオイルなど41商品を販売していた34社について、改善要請をおこなったことを明らかにしました。

これは2020年3月10日の発表に次ぐ2回目の改善要請で、合計すると、何と延べ61事業者84商品に対して改善要請を出したことになります。

 今後も消費者庁などは改善要請や行政処分等々を実施していくと思われます。

健康・衛生商品を扱う場合は襟をただし、適正な商品説明・提案に努める必要があります。

 「いや、商品の効果には自信がある」という人もいるでしょう。

自信を持つことは悪いことではありませんが、現時点で新型コロナウイルスへの有効性が科学的に証明された商品はありません。

[1]強酸性水には除菌効果がある、
[2]還元水の飲用は胃腸症状の改善に効果的
――というところまでは言っても構わないでしょうが、それを超えると、明らかに法律違反になります。

適正トークを心がけよう!

 にもかかわらず、「新型コロナウイルス予防に効果的」
などといった商品説明をおこなっていると、説明した本人がいつ逮捕されてもおかしくありません。

業務停止命令などの行政処分を受ける可能性も十分あります。

 処分は会社だけでなく、勧誘した個人に対して出されることもあります。
行政・警察は「新型コロナウイルス対策」をうたう商品群を確実に問題視しています。

わらにもすがる思いで商品を購入する消費者の弱みにつけこむ販売方法を行政は決して見逃しません。

 2011年3月の東日本大震災に伴う、原発事故・放射能汚染のさいも、「放射性物質を除去できる」などとうたい商品を販売していた事業者が薬事法(現薬機法)違反で相次いで逮捕されました。

 新型コロナウイルスについても、同様の事態が発生しつつあります。
くれぐれも、適正な商品説明を心掛けましょう。

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